2007年末、多くの大学の広報担当の視線は一つのWebサイトに集まっていた。
彼らの情報源に、いわゆる「業界誌」と呼ばれるものがある。記事は、合格者の歩留まりを上げるには、大学のブランドイメージ向上について、などなど。企業も大学も抱えている悩みは同じようなものである。
そこに、こんな特集記事が掲載されていた。
「ある大学の資料請求率が300%も向上したのはなぜか?答えはここにある!」
紹介されていたのは、TERAがデザイン・制作を行った高校生向けWebサイトだった。
「大学らしく」「アカデミックに」といった大学関連のサイトが大勢を占めていた時代に、ヒーロー物テレビドラマのテイストを持ち込み、当時全盛だったFlashを縦横無尽に駆使したサイトだった。
「大学のサイトがここまでやって大丈夫か?」の声をよそに評判はうなぎ登り。マスコミも放っておかなかった。
「今、月間1万ものアクセスを集める大学の企画サイト!」の見出しで朝日新聞に掲載され、テレビにも取り上げられるまでに至った。出演したのは、デザインを担当したTERAのデザイナーである。
TERAが持つ大きな財産の一つ、デザイン力。それを最大限に活かしてクライアントの問題を解決した成果の一つであり、今は管理職として活躍する彼のスピリットは、スタッフに脈々と受け継がれている。
近年の例を二つ紹介しよう。
某BtoB企業との仕事。相手は、業界トップクラスの企業である。
数年前のこと、採用サイトコンペ参加の打診があった。TERAが深く関わっていた別の企業で窓口担当だった方が、職場が変わり人事部に移っても声をかけてくれたのだ。
ヒアリングのために本社へ出向いた藤田とスタッフを待っていたのは、延々と続く社屋と工場群だった。どこまで続いているのやら。思わずため息が出る。
照明を落としたエントランスホールに入ると、製品を紹介する大きなディスプレイが浮かび上がっている。
ミーティングルームに通されると、程なく旧知の人事担当者が現れた。当時の思い出話もそこそこに、本題に入っていく。
同社が抱える課題はこうだった。
「我々の技術は、この分野で世界一だと自負しています。それを裏付けるデータもある。だが、会社のことがあまりにも知られていないのです。BtoB企業のため、同じ規模のBtoC企業に比べ、どうしても地元以外の学生の知名度は低くなる。」
「なるほど。地元以外からも採用したいと。」
「地元だけでなく、優秀な人材を全国から採用したい。例えば東京の国内トップランク大学などから採用したいと思っています。」
課題を持ち帰って検討を重ねた結果、意識の髙い人たちにターゲットを絞り込んで「一点突破」を図る、思い切りの良いサイトで行こう、となった。
「それくらいしないと、技術が世界一であろうが地方のBtoB企業に優秀な人財は集まらない。」賭けではあったが、藤田には自信があった。これまでに同じような悩みを持つ企業で、成果をあげていたからである。
「これはあの時と同じケース。絶対に間違いない。」
予感は的中し、TERAはこのプロジェクトを受注。TERAならではの手腕を存分に発揮して、採用戦略を推進していった。
そして、1年後の採用シーズン。希望していた大学からの採用目標を達成した。
TERAはこの功績を高く評価され、同社の企業案内サイトやパンフレットまで一挙に手掛けることになる。
もうひとつ、こんなエピソードもある。
とある地方企業から問い合わせがあった。多くの人材を採用をしようとしているのだか、広告媒体を使っても、毎年1〜2名のペースでしか採用できない」というものだった。
そこで、TERAが採用戦略を見直したところ、翌年には同社への求人応募数が目に見えて増加。同社史上初めて、別会場を丸ごと借り切り会社説明会を開催することになった。その年は、25名ほどの人材を採用することができた。
Webサイト、ポスターといった成果物から「デザイン制作会社」であると思われがちなTERA。しかし、TERAが目指すゴールは「デザインやサイトの制作」そのものではない。「お客様の真のパートナーとして、課題解決を一緒に行う」ことなのである。
Webを核とした課題解決、そしてお客様の心からの満足を目指し、歩んできた20年。私たちTERAはさらなる高みを目指し、これからも力強く歩み続ける。