こんにちは。デザイン顧問のMayuです。
Webサイト制作に携わるWebクリエイターの方は、毎日多種多様なプロジェクトに関わることが多いかと思います。途切れることなく様々なWeb制作にどっぷり浸かっていると、自動でスキルアップできている…ような気持ちになるかもしれませんが、ただ仕事をしているだけではダメだということをご存知でしょうか?
今回は、Webクリエイターに向けて「継続的に学び続ける」必要性をお話します。クライアントワークに携わるクリエイターの方はもちろん、これからWebクリエイターを目指したいという方にもぜひ読んでいただけたらと思います。
目次
実務だけでは成長しない
Webクリエイターの「学び」と聞いて、どんなことを想像しますか?
デザインスキル、htmlやcssの知識、設計の仕方など…多種多様な学びを想像される方が多いと思います。そして、同時にこう思う方もいるのではないでしょうか。「様々な仕事をこなすことで自分は学べているから大丈夫。」
これは決して間違いではありません。経験を積むことで経験値はアップします。しかし考えてください。成長している証はありますか? そしてその根拠はありますか?
クリエイターの現場でよく聞くOJT(On-the-Job Training)は、実践を通じて従業員に対して実施される、実地での訓練や教育のことを指します。しかしこれはあくまでも、実務に必要なスキルや知識を習得するための「訓練」です。こうした訓練やプロジェクトに参加することで得られる経験から学ぶことは非常に多いでしょう。
しかし、「自然と成長した」と思いこんでしまうのは決してよいことではありません。先輩がやっていることをそのままなぞっただけ、言われたまま行うだけというように、ただ漠然と経験を積んでいるだけでは…厳しい話ですが「ただ実践しただけで身についていない」というケースに陥ってしまいます。これでは学んでいる、とは言えませんよね。経験値を得たとすら言えないでしょう。
最も確実な学びの種類は「学習」です。
適切な学習による学びで最も大きいプライオリティは、知識とスキルが確実に向上することです。そして新たな知識とスキルを獲得することは、自己満足感を高め、より広い視野を得るきっかけになります。視野が広がればもっと広い分野…例えばプロジェクトメンバーや仲間との折衝がスムーズになるなど、自信を持って活躍できるフィールドが広がり、より自分自身の成長を実感することができるでしょう。
Webクリエイターが自身の領域で最高の成果を出し続けるためには、常に学び続ける姿勢を持ち、自己成長を追求することがとても重要です。
自分に合った学びを考えよう
では、どうやって学びを得ればよいのでしょうか? 皆さん知りたいところだと思います……しかし、これは正直なところ、正解はありません。
なぜなら、学ぶ側の個々のスキルが様々だからです。
例えば書籍ひとつとっても、その書籍に対して「簡単」「もう知っている」と感じる人もいれば「何が書いてあるのか理解できない」という人も必ずいます。理解できないことは悪いことではありません。単純に、現在の自分のレベルよりも書籍のレベルが高いということ…理解するのに必要なスキルが不足しているだけなのです。(子供向けの本だと表紙に「低学年向け」「高学年向け」などと記載がありますよね。それと同じことです。)自分に即した学びを得てスキルアップすれば、以前は理解できなかった書籍もクリアできるようになるので、問題はありません。
大切なのは、どうやって学ぶかではなく、何を学ぶかです。
そして「デザイナーだからデザインスキル」「エンジニアだからより高度なアニメーション」と決めるのではなく、自分自身にどんな学びが必要なのかを考えることから始めてください。
そのためにはまず、どんな自分になりたいか、どんな自分が社会から求められるのかなど「自分の理想の姿」を考えましょう。「アートディレクターとして広告の賞を取りたい」「〇〇の案件を安心して取引できるデザイナーになりたい」「定年後も収入が得られるクリエイターになりたい」など…そして理想と現実を比べると、足りないスキルが多いことに気づきませんか?
そう、自分に足りないものに気づくことが重要です。不足分を学び、そして成長で補えば理想の姿に近づけます。単純な話なのです。
「理想の姿」は必ずしも長期で叶えるものである必要はありません。長期の理想の姿が思いつかない場合は、短期的な理想像でも大丈夫です。短期的であっても、積み上げていくことで見えてくる景色は変わります。自ずと未来の理想像が見えてくるでしょう。
さて、自分に足りないものがあると気づくことができたら、それを書き出しグルーピングするなどして、何を学んでいくべきかを可視化しましょう。
極論、活字中心のビジネス書が理解できるようになるために、書籍を読む習慣をつけるということも学びです。デザインスキルなどの技術やテクニックのジャンルにこだわりすぎず、幅広い視野で自分に足りないものを探してみてください。
以下はテクニック以外でWebクリエイターに必要な学びジャンルの一例です。
トレンド・時事
Web技術や「素敵だ」と思われるトレンドは日々進化しています。ターゲットに響く効果的なWebサイト制作のためには、情報のキャッチアップは欠かせません。また、クライアントの業界や社会的な時事の把握も必要です。
コミュニケーション
自分のアイデアや作品を的確にクライアントやチームメイトに伝えるために重要なスキルです。適切な語彙や表現力、思考の言語化に加え、よりスムーズなコミュニケーションのためのビジネスマナーや交渉術も必要です。
プロジェクトマネジメント
プロジェクトの計画、スケジュール作成、予算管理、チームの調整など、プロジェクトを成功に導くために必要なスキルです。
マーケティング
Webサイトを制作し公開するだけではユーザーの流入はありません。制作したWebサイトを広めターゲットに届けるためには、適切な宣伝が必要です。SNSやメールマーケティングなどのオンラインツール、Google広告といったWeb広告を活用するための知識が必要です。
デザイン理論
色やタイポグラフィ、レイアウトに関わるデザイン理論やデザインの歴史に関する知識です。論理的に裏付けのあるクリエイティブの構築に役立ちます。
法律知識
制作物が法的規制に適合しているかなど、知的財産権や著作権などの法律に関する基本的な知識です。
最強の自己成長方法とは
さて、ここまで学習について語ってきましたが「経験は無駄なのか」と考えてしまう方もいるかもしれません。大丈夫です、決して無駄ではありません。
「経験」は「学習」の最強のパートナーです。
最初に述べた通り、経験も学びの一種です。しかし、それだけでは足りないということは、ここまで読んでくださった方には理解していただけたと思います。しかし、経験を積むからこそ学習すべきものが見えてくるのも事実です。経験や訓練で培ったスキルは、学習を加えることでより効果的に成長します。そう、これは相互作用なのです。
そして経験を得られるのは、業務だけではありません。
あなたが最近楽しいと思ったことはなんですか? 感動したことはなんですか? 素敵だと思ったデザインは? ニュースで見てショックを受けたことは?
見知ったことはすべて経験です。映画を観て感動した。友人と旅行に行ってカヌーに乗った。電車で広告を見た、こんな話をしたから家族が笑った、公園で飲んだビールが美味しい、ニュースを見て同僚が怒っていた、友達が喜んでくれることはなんだろうと考えた……身の回りのことすべて、クリエイティブの糧になるのです。
「何があったかなんて全部覚えていられない!」それは当然です。まずは、心に残ったことを忘れないようにしてみませんか?
クリエイティブに必要なのは共感です。そして「あなたの心に残ったこと」は「あなた自身が強く感動したことや共感したこと」です。だからこそ、それは他人やターゲットの共感を得るきっかけになりえるのです。自分の中にストックした情報をスムーズに取り出すことができるようになれば、それは非常に無駄のない情報収集方法になると言えるでしょう。
いかがでしたか?
2023年、時代は大きな過渡期を迎えました。世界中でイノベーションの大きなうねりが起きていることをご存じの方も多いでしょう。そう、AI技術の台頭です。Webデザイン分野に関しても例外ではなく、今後は様々な工程がAIの作業領域になっていくでしょう。(テクニックだけに偏った学習をしてはいけないと言った理由は、ここにもあります。)
時代が変わっても求められるクリエイターになるためには、時事をキャッチして学習し、自分がどう成長していくべきなのか、それに対してどんな学びが必要なのかを考えることがとても大切なのです。
学びは知識へ、知識は時代を生き抜く力になります。創造性を刺激し、拡大させます。
自分に必要な「学び」はなんなのか、ぜひ一度考えてみてください。
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